夜ふかし、朝ごはん抜き、外遊びの消失、不規則な排便など、子どもたちの生活は大きく崩れつつあります。生活とは生命活動のことですから、生活の崩れは、子どもたちの生命活動そのものが揺らいでいることに他なりません。 こうした子どもたちの現状を何とかしたいと、睡眠・食事・運動・排泄など異業種の研究者・活動家・実践者が結集したのが、カッサンドラの会です。 この会では、「ヒトは寝て、食べて、動いて、出して初めて充実した活動ができる動物である」という基本に立ち、現代の子どもたちが陥っている生活の問題をトータルに捉えるとともに、改善の処方箋を提案していきます。
カッサンドラとは、ギリシャ神話に出てくるトロイ王女の名前です。トロイはギリシャと10年越しの戦争を繰り広げましたが、最後はギリシャの勇将オデッセウスが巨大な木馬に50人の兵士を忍ばせて内外から攻め、ついにトロイを滅ぼしました。有名なトロイの木馬の物語です。この時、カッサンドラはトロイ滅亡の危機を察知し、木馬を城内に入れてはならぬと訴えましたが、誰も言うことを聞かず、トロイは滅亡していきました。 このカッサンドラについて記した作家・塩野七生の文章に触発され、神山は自らの著書 『「夜ふかし」の脳科学~子どもの心と体を壊すもの』(中公新書ラクレ)「おわりに」で次のように述べています。 「文藝春秋2005年83巻3号に塩野七生氏の「カッサンドラになる覚悟」と題した文章がある。カッサンドラはトロイの王女カッサンドラに由来する呼称で、「現状の問題点を指摘し対策の必要性を訴えながらも、為政者からは無視されてきた人」を指すという。そして、しばしば手段の目的化に陥りがちな各種審議会や委員会に望む有識者は、「カッサンドラ」になる覚悟で望むのが本筋ではないかと提起している。現在の日本で「早起き・早寝・朝ごはん」を主張することは、あまりに現実とのギャップが大きいことは、私は百も承知である。選択肢はふたつ。残業が美徳である本邦の現状との整合性を図るか、はたまた生物としての原則をとるか、である。 私の選択は明らかである。少子の今日こそ、子どもたちの心身の健全育成はこれまで以上に強調されるべきで、あえて私は「カッサンドラ」になる覚悟でいる。生物学的根拠を背景に、子どもたちが「早起き・早寝・朝ごはん」を実践できる環境を早急に整備する必要がある。その実践はあらゆるレベルで、すなわち家庭で、職場で、地域で、いつでも可能である。 わずかな一歩が「社会通念」を変える第一歩となる。わかってはいるけど・・…、マッいいか、では社会通念は変わらない。子どもたちの目線に立ってぜひとも今私たちがどっぷりと浸かってしまっている「社会通念」を見直してほしい。」 私たちは、神山の呼びかけに応じて集まった異業種のユニットですが、その心意気に共鳴し、ユニットの名前を「カッサンドラの会」とすることにしました。
1)対話:DIAROGUE 異業種の専門家が、率直に意見を語り合います。 2)協働:COLLABORATION それぞれのネットワークを相互につなげ、協働します。 3)発信:PRESENTATION 子どもたちの問題と処方箋をトータルに捉え、発信します。 *単行本の刊行 *講演・シンポジウムの開催 *ホームページでの発信 |